私は世界を変えられる!

[コリアンスピリット新聞・ブレインメディア共同企画]
幸せな人間性英才の夢さがしプロジェクト第4弾-キム・ウンビ

キム・ウンビ(19)は2年前、人がうらやむような名門校に進学した。しかし、過度の競争に疲れて競争の少ない学校に転校した。転校後は友だちと仲良く過ごし、先生や友だちの信頼を得た。しかし、そこでも無意識に競争している自分を感じた。これではいけないと思っていた頃にベンジャミン人間性英才学校(以下、ベンジャミン学校)に通う友達に会った。自分の夢を見つけて様々な体験をしている友だちの姿が新鮮だった。

「私が知っている1年前の友だちとは別人のようでした。自分を省察して大きく成長し、世間を見る視野も広がっていました。良い大学に行っても、夢がなくてさまよっている人をたくさん見ました。自分の夢と価値観をつかんで勉強すれば、1年遅くなっても後でもっと早く行けると思いました」

▲ ベンジャミン人間性英才学校2期生 キム・ウンビ
▲ ベンジャミン人間性英才学校2期生 キム・ウンビ

キム・ウンビは、ベンジャミン学校でいろんな経験をすることによって自分をもっと成長させたいと思った。それで、両親を説得し、2015年3月にベンジャミン学校に入学した。

入学後、キム・ウンビは「1年間、限界にぶつかって乗り超える」を自分の目標に決めた。限界を乗り越えて「より大きくて新しい私」に会いたかった。最初に挑戦したのは、ベンジャミン体操12段だった。ベンジャミン体操12段は、青少年の健康と体力を増進させるプログラムだ。キム・ウンビは、限界にぶつかればすぐにへばってしまうので体力をつけようと決め、毎日3時間根気よく練習した。その結果、1回も腕立て伏せができなかったところから、今は逆立ちで100歩くまでになった。

自信がつき、バンジージャンプ、パラグライダーなど、他にも限界を乗り越えるものに挑戦した。5月には韓服(韓国の伝統衣装)を着て、市民に「ジョル(座礼)」をするフリー(Free)ジョル・キャンペーンを始めた。ベンジャミン学校のメンターであるムン・ヒョヌ(アリラン流浪団長)から「ジョル」を通じて伝統文化を伝えるという講演を聞いて感動し、プロジェクトを始めたのだ。

 

▲ 済州オルレから始まったフリージョル・キャンペーン
▲ 済州オルレから始まったフリージョル・キャンペーン

世の中に役立つようないろんなプロジェクトを行いながら、キム・ウンビは「やればできる」という自信ができ、大きな夢を持つようになった。その夢は、世界を変える「弘益講師」だ。ベンジャミン学校は、弘益人間精神をモットーにしている。弘益人間精神は、“あなたと私”が共に暮らしていくことの価値をキム・ウンビに教えてくれた。

「以前の私は、世界のためにできることなんて何もないと思っていました。でも、プロジェクトを実行しながら『私が良い思いで良い行いをすれば人々が手伝ってくれる』と確信できるようになりました。多くの人々に夢と希望を与える弘益講師になることが今の私の夢です。私は世界を変えることができる人間だ! 私がベンジャミン学校で得た最大の変化です」

18歳のラッパー、幸せを歌う~ソン・ヒョヌク

[コリアンスピリット新聞・ブレインンメディア共同企画]
幸せな人間性英才の夢さがしプロジェクト第3編-ソン・ヒョヌク

ここ数年、韓国ではK-POPダンスに劣らずヒップホップが人気を集めているが、ヒップホップに対する偏見は相変わらずだ。狂騒、暴力、悪罵がのさばるラップを聞くと、なんだか暗く粗野に感じられた。
18歳のソン・ヒョヌクが入学式のあった3月、京畿南部学習館の先生と生徒に初めて出会った場でラップをした時、その衝撃は大きかった。暗い表情で口数も少ないヒョヌクが書いた歌詞は、Fで始まるスラングの連発だった。そんなヒョヌクが、今は母親への愛と感謝を歌詞にしている。

もう10年になるかな

1人で3人の息子を育ててくれた

外では友達が暗い顔の俺をあざ笑う

こんなバカな息子を愛してくれる人 

幼い頃はその愛が分からなかった

友達と一緒だから来るなと言った

その一言があなたの胸に釘打ち

その釘打った胸で俺を抱きしめてくれた

あなたがくれた愛、信頼、許し 

もう「ごめん」と言わないで

俺が幸せにするから

 

▲ ベンジャミン人間性英才学校 京畿南部学習館 ソン・ヒョヌク
▲ ベンジャミン人間性英才学校 京畿南部学習館 ソン・ヒョヌク

ヒョヌクがベンジャミン学校に入学してから変わり始めたきっかけは、サークル活動だ。ベンジャミン学校京畿南部学習館の生徒たちとヒップホップサークル「SWAG(スワッグ、ヒップホップ用語)」を結成して活動するようになってからだ。週2回、友達と集まって詞を書いてラップをし、公演の準備をしている。

「これまで通っていた学校では、いつも後ろにいる生徒でした。ここではサークルのリーダーになって友達を導かなければならないから、どうすれば音楽を楽しみながらメンバー全員がそれぞれ得意なことをやれるか悩んでいます」

ヒョヌクは韓紙工房で12時から16時までバイトをする以外は、ひたすら音楽ばかりしている。

「ベンジャミン学校に入学して本当によかったと思います。そうでなければ公演企画やヒップホップサークルなんか思いつきもしなかったでしょう。ベンジャミン学校では企画して公演する機会が本当に多いです」

ベンジャミン学校で過ごした日々の中で7月13日は、ヒョヌクにとって特に忘れられない日だ。歌手でベンジャミン学校のメンターのウ・スンシルさんに出会った日だった。ウ・スンシルメンターはこの日、生徒たちに 33年の音楽人生について語る講演と生徒の歌を聞いて個別にメンタリングをしてくれた。

ヒョヌクは「音楽家として長い経歴を持つ方に評価やフィードバックをもらったのは初めてでした。今までステージで震えたり緊張したことはなかったけど、メンターが私に、内面に恥ずかしさをたくさん抱えていると言いました。家に戻ってからもずっとその言葉が頭から離れなくて、それを変えたくてわざとたくさんステージに立とうと思って努力しています」と語った。

 

▲ ベンジャミン学校 京畿南部学習館のヒップホップサークル「SWAG」のメンバー。左からベク・ジウォン、イム・ヨンフン、イ・ユジン、ナ・ウンソン、ソン・ヒョヌク、イ・ジェスン、キム・ジョンヨン、キム・ジュヨン
▲ ベンジャミン学校 京畿南部学習館のヒップホップサークル「SWAG」のメンバー。左からベク・ジウォン、イム・ヨンフン、イ・ユジン、ナ・ウンソン、ソン・ヒョヌク、イ・ジェスン、キム・ジョンヨン、キム・ジュヨン

そして、ベンジャミン学校のナ・ウンソンさんと一緒に9月に行われる青少年対象の音楽フェスティバル参加を決めた。

「中学の時にヒップホップと出会い、ラップで言いたいことを言うとスッキリしました。最初、ヒップホップをすると心に決めた時は、それを言葉に出して言えないくらい気が弱かったんです。ベンジャミン学校で私ができること、得意なことを見つけて、没頭できて幸せです」

ヒョヌクはヒップホップサークルの友達と一緒にアルバムとミュージックビデオを制作中だ。年末にはヒップホップ公演も計画している。

「元々、個人でアルバムをリリースしようと思っていたのですが、サークルの友達と一緒にしようと思い直しました。アルバムには私が個人的に作った曲も1~2曲あるし、友達と共同で作業した曲もあります。ベンジャミン学校を卒業しても、このグループでやっていくつもりです」

型を破って内面の無限の可能性に出会う

<コリアンスピリット新聞・ブレインメディア共同企画>
幸せな人間性英才の夢さがしプロジェクト第2弾-ファン・ヒョンシク

学校という型にはまった生徒だった。勉強もよくできた。でも、やりたくてしたのではなく、しなければならないからしただけ。目立つ生徒でもなかった。自分から名乗り出たことはない。授業中に当てられて本読みをするだけでも顔は真っ赤になって胸はドキドキ。班長や副班長をやってみようなんて考えたこともない。

平凡だったファン・ヒョンシク君(19)がベンジャミン人間性英才学校に入学したきっかけは、特別な子たちに出会ったからだ。9月5日、写真展を見るためにソウルにやってきたファン・ヒョンシク君に話を聞いてみた。

 

▲ ベンジャミン人間性英才学校 慶北学習館のファン・ヒョンシク
▲ ベンジャミン人間性英才学校 慶北学習館のファン・ヒョンシク

 

「昨年11月にソウルの光化門で行われたベンジャミン・フェスティバルでベンジャミンの生徒が自分の成長ストーリーを発表しているのを見てショックを受けました。私と同じ年なのに、その子たちはベンジャミン学校で自分がしたいことを自分で決めて実行しているというのですから。自分の人生を自分で作っているということが感じられました」

 

誰かに決められたことをするのではなく、自分で自分の人生を選択して創造したかった。ヒョンシク君は、両親をしつこく説得して同意を得て、2015年3月にベンジャミン学校2期生として入学した。

 

韓国初の完全自由学年制を実施する代替学校であるベンジャミン学校に入学するために、ヒョンシク君はそれまで通っていた学校をやめた。型にはまった思考と行動に慣れていたヒョンシク君がベンジャミン学校の入学に際し決心したことは一つ。「なんでもやってみよう!」

 

ヒョンシク君は 3月に入学してから6か月間、本当にいろんなことをした。

・5月(2泊3日) 慶尚北道~釜山 300km 自転車縦断

・7月(6泊7日) 慶尚北道~忠清南道・天安 300km 徒歩縦断

・7月末~ SNSで自己省察メッセージの共有「ホワイトホールプロジェクト」

・8月初旬 2日間で企画・練習し、3,000人の前で演劇公演

・8月(5泊 6日) 全羅北道・全州~釜山 列車旅

 

9月にはベンジャミン学校の必須課程「グローバルリーダーシップ地球市民キャンプ」のためもアメリカへ行く。そして、10月には再度自転車ツアーを、12月には写真展示会を企画している。「学校」という型から抜け出しただけなのに、ヒョンシク君は完全に別人になった。

 

▲ 演劇公演をした友達と共に
▲ 演劇公演をした友達と共に

 

「3月に入学した時は、何をすればいいか分からず、さまよっていました。今まで言われたことだけしてきたのに、突然、何でもやってみろと言われても、何をどうすればいいかまったく分かりませんでした。

その時に何でもやってみようという思いで始めたプロジェクトが、5月の自転車縦断の旅です。本当にやってみたかったことでしたが、実際に始めてみると、どこで寝るか、食事はどうするか、自分の体は今どんな状態か、今日はどこまで行けるのか等、いろんな問題が出てきました。ベンジャミン慶北学習館のホヨン君と2人でしたこのプロジェクトをきっかけに、とても責任感が強くなりました」

 

何でもチャレンジして経験しているヒョンシク君だが、以前の自分を振り返り、「始めるのが大変だった」と語った。やったことがないことに対する恐れが大きかった。怖がって、できないと思っているから最初の一歩を踏み出すのにいつも時間がかかった。

 

ところが、ベンジャミン学校の入学願書を書き、「選択するだけでも変化する」ことを体験した。その後、ヒョンシク君は何をするにもためらわなくなった。

 

「11月に願書を出してからは『僕はこれからベンジャミン人間性英才学校の生徒だから人間性英才の5徳(集中力・忍耐力・創造力・責任感・包容力)を身につけなきゃ』と思って過ごしました。その頃から自分を誇らしく思え、ためらったり先延ばしにする癖が減っていきました。

最近は、怖がって先延ばしにするのではなくただやってみます。やっていくうちに大変なことがあるかもしれませんが大丈夫です。実際にやれば、楽しくやり遂げられることを知っているから」

 

▲ 「明日に向かって~列車旅」 ベンジャミン学校 慶北学習館の友達7人と。
▲ 「明日に向かって~列車旅」 ベンジャミン学校 慶北学習館の友達7人と。

 

変化はそれだけではなかった。ベンジャミン学校 慶北学習館の代表を務めるヒョンシク君は先生や友達からリーダーシップを認められている。この日、写真展を見るためにヒョンシク君と一緒にソウルを訪れたグォン・ミジョンさん(18)は「生徒たちの面倒をよく見てくれます。皆がヒョンシク君をリーダーと認めてとても頼っている」と語った。

「昔は暗かったです。感情もうまくコントロールできませんでした。でも今は、周りから明るくなったとよく言われます。自分が今どんな感情があるのか眺める力がつきました。

リーダーシップについては自分でも知りませんでした。一般の学校に通っていた頃は、面倒を見たり世話をしたりする人が周りにいませんでした。ものすごく親しい友達でもない限り、1人で勉強してテストを受けて自分のことは自分でするのが学校だから。しゃべるのが好きだし上手だということも最近知りました。
ベンジャミン学校では、自分を表現する機会が多いです。人前で話すこともよくあります。そうしながら自分も知らなかった自分のいろんな面をたくさん見つけています」

▲ ヒョンシク君とメンターのキム・ヒョンタク氏(ソウルホソ芸術実用専門学校、前KBS 映像制作局長)
▲ ヒョンシク君とメンターのキム・ヒョンタク氏(ソウルホソ芸術実用専門学校、前KBS 映像制作局長)

ヒョンシク君は、世間を知れば知るほど自分の中の新たな扉を開いている。するとますます夢に対する悩みが増えた。昔は写真が好きだからそれを仕事にしたいというくらいだったが、最近は人の悩みを聞いてあげるのも好きだし、人々を楽しませることも好きだ。韓屋(韓国の伝統家屋)への関心も強くなった。

 

「やりたいことをしながら、いろんな進路の可能性を開いておくようになりました。カメラマンになりたいという思い、レクリエーション講師、心理カウンセラー、韓屋建築家など、10年後に私が何をしているかは分かりません。でも、はっきり分かることは、それが何であれ楽しみだということです。

 

そして、世間を知れば知るほど、学ぶべきことが本当にたくさんあると感じるようになりました。私がベンジャミン学校で過ごす残りの6か月間は、高校卒業程度認定試験と大学受験のため勉強も体系的にしながら本もたくさん読みたいです。内面を育てる時間になるように」

 

最後に、ベンジャミン学校に対するヒョンシク君の定義を聞いてみた。

「私にとってのベンジャミン人間性英才学校は、人生勉強です。

10年後にできそうなこと、10年後にも考えていそうなことを今、経験しています。いろんな人と出会ったり、いろいろ考えたり悩んだりもしながら。人生勉強ができる素敵な学校です」

 

世間を見る目が広がりました。

私に1年という時間が与えられたとき、成長したいという切実な思いが膨らみました。それで、ソウル市が行っていたプログラム「学外世界市民学校活動」に参加し、ミャンマーを訪れました。韓国の高校生は受験勉強のせいで広い世界を見ることができない傾向がありますが、ミャンマーの子どもたちは勉強はもちろんのこと、社会運動も声高に訴えていました。現地大学生と交流し「私たちの考える平和とは?」というテーマで発表しました。たくさん反省もして、人生で本当に必要なのは、知識だけの勉強ではなく、社会を肯定的に変化させる社会運動に参加することだと思いました。 ~ ジョ・ウンビョル ~ 

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一人でコンビニにも行けなかった僕が山に登った

ベンジャミン人間性英才学校に来る前は、人に見られるのがイヤで、バスの降車ボタンも押せずにバス停を通り過ぎてしまうほど内気でした。でも、ベンジャミン学校で何度も発表活動をし、自分のすることに確かな信念があって、それが正しいと信じる心があれば、人に視線がちっとも恥ずかしくないし辛いことでもないと学びました。
今後1年で全国の山に登り、恥ずかしがらずに旗を大きく掲げ、ベンジャミン学校を世界に知らせたいと思います。 ~ キム・ソンユン ~

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選択したら成し遂げられる、僕の夢は弘益大統領になることです!

国会議長杯 中高生人格スピーチ大会で「人間性が私たちの未来だ」という言葉を世間の人々に必ず伝えたいと思いました。受賞できてとても有難いし、ベンジャミン人間性英才学校を多くに人々に伝えることができて嬉しいです。自分が率先して行動したら、周りが変化しました。成功体験をして自信がつくと、人間性は自然に回復すると確信しています。私が経験したからです。 ~ ヤン・ソンフン ~

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並外れた没頭で内面の自分を探す

入学前は人から認められるため、人に見せるために勉強していたように思います。入学してからは少し立ち止まってどの方向に向かっているのかを省みるようになりました。ベンジャミン学校は、私の人生がどこへ向かっているのか、何のために生きているのかを考える時間と機会をくれました。 ~ ジョ・ミンョン ~

ジョン・ミンョンは、ベンジャミン人間性英才学校に入学して大きく変化しました。まず伝統武術である丹無道を根気よく行い、ぶれない体力と精神力を得ました。また、学校で「印象が冷たい、無口に見える、怒ってるの?」と何人からも言われ、メンターのアドバイスでコメディ演技を始めました。それをベンジャミン人間性英才フェスティバルで披露し、周りを驚かせました。

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壁紙から個展まで

自分で企画して個展を開いていなかったら、こんなに成長できなかったと思います。もちろんこんなに大変でもなかったはずです。でも、私は今の私が本当に好きです。プロセスは辛かったけど、これほと私が成長したのも全てベンジャミン人間性英才学校のお陰です。 ~ソン・ギュビン ~

 
ソン・ギュビンは、安東国学院の依頼を受け「ハンミンゾクの歴史と精神が宿った壁紙」を描いた高校生として話題になりました。並々ならぬ情熱を抱くソン・ギュビンは、ハン・ジス メンターの献身的なサポートで絵画制作に邁進し、個展も開きました。

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