帰国子女の磯貝久里子(いそがい・くりす)さんは、小学生のころから学校の成績や進路のことなどで様々な難題に直面してきました。学業成績だけで進路が決められることに嫌気がさし、学校に通わなくなった時期もありました。「自分の将来はどうでもいい」。そう思ったときもあったといいます。
そんな磯貝さんは2017年、ハワイから日本に戻ってきたのを機に、心機一転を図ろうと、日本ベンジャミン人間性英才学校に入学しました。入学後、磯貝さんは様々なプロジェクトに取り組みます。
「LOVE THE EARTH」をテーマに、他の生徒とともに、地域のゴミ拾いなどのボランティアを実施。「自分が自然の一部であることを再確認でき、また自分が地球市民として地域や周りの人に貢献しているのが誇らしかった」と言います。
「ハワイに住んでいたときも海や島の環境汚染に関心がありました。でも周りの目を気にして、ゴミ拾いなどの活動はできなかった」そうです。それが、今では、「地球市民」としてのメッセージを多くの人に語り、広める活動を積極的に行っています。
磯貝さんの大きな成長を後押ししたのが、メンター制度です。メンターはベンジャミン学校の特徴の一つで、専門的な知識や経験のある大人たちが、生徒たちの進路探しや課外活動をサポートします。
磯貝さんは「自分のプロジェクトに困っている時や自信がない時に、メンターの先生からポジティブなアドバイスを頂いた」と振り返ります。
地球環境に関するスピーチをしようと考えていた磯貝さんに、あるメンターはこうアドバイスしたそうです。「周囲の意識を高めていくのは、まず自分自身が実際にゴミ拾い活動や地球市民イベントをやってみて、地球のありがたみを心から感じることが大事なのでは」。
磯貝さんはこうしたアドバイスをふまえて、プロジェクトを成功させました。おかげで「心から自信を持てるようになり、自分の可能性が大きく開いたと感じた」そうです。
磯貝さんの今の夢は「地球市民スピーカー」になること。「ベンジャミン学校に入学する前は、自分の夢さがしにあまり興味を持っていませんでした。多くのメンター先生たちと出会ったことで、夢が現実になってきた」と話しています。