「高校卒業を目前に控えた春。大学進学先が決まっていた私は将来に対するぼんやりとした不安を抱えていました。
このまま何がしたいということもなく大人になることへの不安です。
第一志望の大学に落ちた後、国立の後期試験に受かってようやく腰を据えた状況で、私は何を理由に自分が勉強をするのか分からなくなっていました」
と話す小林奈津希(18)さん。
日本ベンジャミン人間性英才学校の入学を決めたのはそんな時だったそうです。
「ベンジャミン学校では生徒一人一人が自分のプロジェクトをもって活動します。
その為には自分で目標を設定し、計画を立て、実行する必要があります。
さらには問題解決能力やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力も
重要になってきます。この力はこの先の人生できっと必要になるし、
なにより今の状況を打開する鍵になるかもしれないと思いました」
奈津希さんは高校1年生の時、冷え性で便秘や鼻炎があり、
体質改善のために母に連れられて行ったヨガ教室で出会った先生から脳教育を学びながら変わっていきました。
「その当時の私は暗い性格で、否定的な情報にこだわっていて
いつも不満を抱いていました。自分の本音を他人にぶつけることが怖く、挨拶もできないし、困っている時に人に助けを求めることもためらっていました。
しかしトレーニングを重ねるうちに体の調子も良くなり、同時に気持ちの余裕も生まれてきたのです。
自分の体や感情を客観視できるようになり、いつも混乱していた頭が整理されていくような感覚でした。それだけではありません。
これまで人と比較し、自分を押し殺して周囲に行動を合わせていた自分から周りを気にせずに自己表現し、行動できる自分へと変化していきました」
そして、周りと違う道を選ぶことに不安を感じつつも、
大学を1年間休学してベンジャミン学校に入学することを決心しました。
奈津希さんはベンジャミン学校に入学した当初は、プロジェクトを決めかねて苦しんだそうです。
「5月にコンビニのバイトを始めるまでは一人だけ、社会から孤立したような感覚でした。
しかし、毎月のベンジャミンキャンプで他の生徒の変化を見ることができました。
4月の時よりも表情が明るくなっていたり、自信を持てるようになっていたりと少しずつ良くなっていく空気を感じました。
私自身も毎週の脳教育の授業、ベンジャミン体操12段の練習で
目標をもって心身を鍛えることや、演劇のワークショップなどを通して自分を自由に表現することを楽しむようになりました」
8月、奈津希さんはニューヨークの国連本部で行われた青少年のメンタルヘルスについてのカンファレンスを見学。
国連での発表を聞き、世界中に脳教育が広まっているのを肌で感じることができたとのこと。
そして同じく8月に行われたベンジャミン日韓合同ワークショップでは、韓国の生徒たちと触れ合うことで、自分とはまた違った考え方を知ったそうです。
「ワークショップの中で、初めて訪れる町の人に自然治癒力の大切さを伝える活動もしました。引っ込み思案な私にとって初対面の人に話しかけることはとても勇気のいることでしたが、思いを伝えて人々の優しさに触れることができ、なによりも人と話すことの楽しさを知ることができました」
奈津希さんの今後の課題は、2月に向けて自分で決めたプロジェクト
「空き家になっている祖父母の家の空間をデザインする」
「祖父母の家は今の私の住まいからは遠く、時間も限られています。両親の協力も必要ですし、簡単ではないと思います。
しかし、困難が生じるその時々で自分の枠を超えながら頑張っていきたいと思います」
奈津希さんのプロジェクトが成功しますように。